急性期病棟で残業や長時間労働で心をすり減らす日々…。
もう看護師辞めたい!
と追い詰められている方が圧倒的に多いと思います。
苦労してせっかく取った看護師資格なのに逆に首を絞めてしまうこの事実。
でも、同じ働くならゆったりと働きたい看護師さんも多いことかと思います。
そこで今回おすすめする働き方は「介護施設の看護師」です。
なぜなら、介護施設は看護師がゆったり働くことも可能な職場だからです。
介護施設って実習でしか行ったことない方も多く実際のところがよく分からない方も多いと思います。
なので今回は、介護施設で実際に働く看護師が、介護施設って何?楽なの?という疑問にお答えしていきたいと思います。
なんかをお伝えしていきたいと思います。
結論は「介護施設は大変な面もあるけれど、全体的に楽で楽しくておすすめ」ということです!
介護施設(特養・老健・有料)の特徴と働き方
特別養護老人ホーム(特養)
要介護3以上の方が対象で介護度が高い。終身入居される方が多いので利用者の入れ替わりは少なく、看取りもする施設が多い。
基本的に日勤のみで夜間はオンコールの場合がほとんど。
医師は常駐せず往診に来るスタイルの所が多い。
介護老人保健施設(老健)
要介護1以上の方が対象。在宅復帰を目指し、リハビリ重視の介護施設。原則として入居期間は3か月(延長あり)なので入退所は多め。
昔は数年単位でいる方も多くいたが、入所期間は短くなっている傾向にある。最近は老健でも看取りもする施設が増えている。
老健は医師の配置が必須の為、医療的な対応は医師と相談することになる。医師・介護士・リハビリなど多職種が働いていて多職種連携の機会が多め。夜勤がある所が多い。
有料老人ホーム
民間施設の為、自立の方が多い施設もあれば、医療依存度が高い方が多数入居する施設もあったりと利用者層にバラつきが大きい。
看護師の配置人数や業務内容・夜勤の有無などは施設によって大きく異なるので事前のリサーチが必須になる。
民間施設なので給料は特養・老健に比べ高め。特に高級な老人ホームは利用者というより「お客様」対応が求められる傾向。
介護施設の看護師の1日(日勤)
8:00
・出勤 着替え
・浣腸等の処置の準備
・申し送りノートをみてイベントや特記のある利用者の確認
8:30
・朝礼
・申し送りを聞いて、必要時介護職に指示を出す
9:00~12:00
・状態不安定者のバイタル測定
・経管栄養、浣腸などの処置、インスリン注射、膀胱留置カテーテル利用者の尿量チェック
・ショートステイの入退所対応
12:00~13:30位
昼休憩
13:30~15:00
・処置の続き、必要時バイタルチェック
・翌日の内服のセット
・往診医がくる場合は対応する(たまに採血あり)
・入所がある場合は入所対応
・レクがある場合は、必要時見守りに入る
15:00~16:00
・排泄表チェックし、翌日の便処置者のリストアップ
・膀胱留置カテーテル挿入者の尿量チェック
16:00~17:00
経管栄養
夜勤の介護士に申し送り
(夜間困らないように先読みして指示を出す&今のうちにできることは対処しておく)
後片付け・申し送りノートの記入
17:00 退勤
介護施設の看護師の1日(夜勤)
16:30
出勤 着替え
17:00~17:30
申し送り
17:30~18:00
夕食介助と下膳の手伝い
服薬介助
18:30~21:30
記録、コール対応、体調不良者のバイタル測定
適宜ラウンドし施錠確認
21:30~22:15
休憩
22:15~翌日2:00
コール対応
膀胱留置カテーテル利用者の尿はき
排泄の〆を行い、記録する
2:30~3:45
仮眠休憩
3:45~6:00
コール対応しながら、起きてきた利用者の見守り・整容をホールで行う
(オムツ交換やトランスは介護士が行う。トイレコールが立て込んでいる場合は看護師もトイレ介助をする場合あり)
6:00~7:30
経管栄養、食前のインスリン注射、体調不良者のバイタル測定
7:30~8:30
朝食介助と下膳の手伝い
服薬介助
8:30~9:00
申し送り
9:00
退勤
※日勤夜勤共に残業はほぼありません。
介護施設の看護師のメリット
ゆったりした雰囲気で生活の支援ができる
介護施設は生活の場なので餅つき・夏祭り・クリスマスなどイベントも多いです。
雰囲気もゆったりしているので、ゆっくり長期的に利用者さんと関わりたい方におすすめの働き方です。
わたしは出勤するたびに居室にお話に行って、ご家族とも顔見知りになって信頼関係ができて、孫のように可愛がってくれる利用者さんもいました。
残業が少ない
介護施設はほとんど残業はありません。休憩もゆったり取れるところが多いです。
落ち着いている時はお茶タイムもあるくらいでした。
ワークライフバランスを重視した働き方ができます。
体力的に楽
看護・介護業務は分業になっている事が多いです。オムツ交換やトランス、入浴介助などは介護士が行うので看護師は体力的に楽です。
だからといって看護師は介護業務は全くしなくていい訳ではなく、介護士さんと協力してお互い気持ちよく働けるようにする配慮は大事になってきます。
医療処置が少ない
施設で行う医療処置は、胃ろう、膀胱留置カテーテル、ストーマケア、皮膚軟膏処置、褥瘡ケア、末梢からの点滴、採血、インスリン注射などの基本的なものになっています。
利用者層によっては医療処置がほとんどない施設もあります。
特別なスキルは不要ですが、点滴・採血は出来たほうが良いです。
採血・点滴が出来ない場合は、施設の看護師が採血や点滴はしない方針の施設を探すと良いでしょう。
身体的に落ち着いている方が入居しているので、急変は少なめです。
5.介護施設での知識や経験は将来役に立つ
病院では学べない介護施設での知識・経験・コネは、将来身近な人に介護が必要になった時に役に立つこともあります。
高齢化社会ですので、介護業界にも詳しい看護師は重宝されるので将来性も充分です。
介護施設の看護師のデメリット
医療的な判断を求められるプレッシャーがある
医師がいないことが多く、看護師が医療的な判断を求められる場面が多いです。
採血等の検査が頻繁にできるわけではないので、五感を働かせて観察し「なんかちょっと変」という気付きが重要になります。
難しいですが、他の看護師に相談しながら対応すれば徐々に慣れて観察力・判断力が身につきます。
緊急時は救急車を呼ぶ事が多く、そこまで緊急でなければ電話などで医師に相談し判断を仰ぎます。
観察力は看護の基本なので、介護施設で身についた観察力・判断力はあらゆる所で役に立ちます。
オンコールが苦痛
特養はオンコール制であることが多いです。コール番だと何時コールがあるか分からないことでプレッシャーに感じる場合もあります。
実際はオンコールで呼び出されることはさほど多くありません。
事前に先読みして日中のうちに指示を出しておくなど、夜勤の介護士と充分コミュニケーションをとっておくことが大切です。
どうしても嫌ならば、オンコールがなかったり夜勤の看護師がいる施設を選ぶとよいです。
給料が安い
夜勤が少ないのもありますが、ベースの給料も安い傾向にあります。
給料面は自分では言い出しにくい内容なので、入職前に転職エージェントを利用して給料交渉をするといいでしょう。
有料老人ホームは民間企業なのもあり給料が高めな傾向なので、有料に絞って転職先を探すと給料アップが狙えるかもしれません。
看護技術が身につかない
病院と違って最新の医療の看護は学ぶ機会に乏しいです。
医療処置は介護施設でも実施する場合もありますが少なめで、看護技術が身に付きにくいです。
施設でしか学べない観察力や判断力等が身につくメリットもあるので、考え方次第ともいえます。
介護士との人間関係
病院と違い、施設は介護職の中に少数の看護師という職場環境になります。
看護師なら通じる医療用語が介護士には通じないなどのギャップもあります。その為、施設にうまく馴染めないという看護師も中にはいるようです。
この記事を読んでいる方の中には、介護職は看護師を目の敵にしているというイメージを持つ方もいるかもしれません。
実際は介護職の中でも看護師を毛嫌いしている人はごく少数で、気の良い優しい方が大多数です。
わたしは家族にも介護士がいるので勤務先の看護師の悪口を聞きますが、殆どが看護師が悪いなと思う内容です。
具体的に介護士が言う看護師の悪口は、
「こちらの状況を汲まずに無理な指示ばかり出す」「いつも偉そうで不機嫌。報告しても聞いてくれない」「介護が忙しそうにしていても無視で、詰め所でお菓子食べてサボってばかりいる」という内容が多いです。
一方で、「介護の報告に耳を傾けて、的確に指示をくれる」「忙しそうにしていると、協力してくれる」「利用者にしっかり関わってくれる」看護師の事は信頼できると言います。
介護士と協力できればより良い看護ができます。
仕事ぶりで信頼を勝ち取れば大抵の介護職とは上手くやっていけるので、不安に思いすぎなくて大丈夫です。
介護施設の看護師がおすすめな人
高齢者看護が好きな人
高齢者看護が好きな方にとっては天職といえます。
ゆったりとした雰囲気なので、おっとりのんびりしている方でも大丈夫。穏やかな人・元気な人に向いています。
イベントごとが好き、コミュニケーションが好きな人
イベントごとが好きで利用者や他職と一緒に盛り上がれる人、コミュニケーション力が高い人は介護施設の看護師に向いています。
高齢者の中には看護師と話せただけでも安心する方も多く、特に自立の方が多い施設ではコミュニケーション力が高い人は重宝されます。
他職種との関わりも多いので、多職種連携に興味のある方にとっては良い勉強の機会になります。
ワークライフバランスを重視したい人
残業無し、場所によっては夜勤やオンコールもないので、プライベートを充実させたい方にはおすすめの職場です。
子どもが小さくて病棟だと夜勤が出来ないからパートにならざるを得ない、という方でも常勤になることが可能です。
副業をしている方にもおすすめの職場です。わたしの職場にはYoutuberをやってる人がいました。
※就業規則で副業禁止の場合があるので、入職前に確認するようにしてください。
ブランクがある人
最新の医療の知識はあまり必要とされないので、ブランクがあっても大丈夫です。
看護に限らずあらゆる人生経験を積んだ看護師は視野が広いので、高齢者や他職とも話が合いやすく活躍できる場と言えます。
体力的に病棟で働くのが難しい人
介護士がいるので看護師は体力的には楽な傾向にあります。
腰痛などで病棟で働くのが難しい方・高齢の看護師でも活躍できます。
介護施設で働く看護師の感想
介護施設で働く看護師の声を集めてみました。
・20年くらい病院で働いていて病院での看護はもうやり切った感があった。経験を活かして働ける場所を探してたら介護施設に行きついた感じです。
最初はオンコールで夜も眠れなかったり不安で仕方なかったけど、段々利用者さんの笑顔とかみて、楽しいって思えるようになってきた感じです。
このやりがいは病院では絶対得られないと思う。もう歳だけど、身体が動く限りは働き続けたいと思ってます。(特別養護老人ホーム 看護師)
・子どもも大きくなってきたから働こうと思ったんだけど、10年もブランクがあるから大丈夫かな?と思いながらも、家から近いから働き始めたのがきっかけです。
みんな優しいし、フォローしてもらってようやくだけど働けてて感謝してます。
(特別養護老人ホーム 看護師)
・大学に通っていて、合間に看護師としてアルバイトをしています。
病院で働くのは学校の合間だと難しいけど、介護施設なら残業も少ないし日々の業務はだいたい決まっているから楽です。時給も良いので限られた時間で稼げるので良いです。(有料老人ホーム 看護師)
新人看護師におすすめかどうか
結論、卒業後すぐに施設で働くのはおすすめできません。
理由として、施設にいる高齢者は複数の病気を持っている方が多く、落ち着いているとはいえ調子を崩しやすいためです。
介護施設では看護師が医療的な判断を求められる場面が多いです。
疾患の知識や看護の経験がない新人看護師だと対応が出来ず、辛い思いをすることになってしまいます。
介護施設は看護師の配置が少なく、全くの新人看護師を教えるのは体制上難しい施設が多いです。
どうしても新人で介護施設で働きたい場合は、看護師の人数が多めで教育体制が整っている施設を探すようにしましょう。
介護施設は大変な面もあるけれど、全体的に楽で楽しくておすすめ
介護施設で働く魅力は「自分の生活も大事にしながら、高齢者の人生の締めくくりを穏やかに過ごしてもらうことに貢献できる」ことです。
大変な面もありますが、それ以上に病院では味わえない楽しいことが沢山あるのが介護施設での看護です。
残業もなく、休みもしっかり取れるので自分も大切にしながら働くことができます。
ワークライフバランスも重視できる介護施設で働きたい!と思った方は、転職サイトを利用して効率よく転職活動をすることをおすすめします。
なぜなら介護施設は病院以上に勤務内容や条件が多種多彩になっているためです。
自力では大変な情報収集を転職サイトを利用して行うことが、介護施設への転職の成功の近道です。
介護施設への転職を絶対に成功させる方法
とにかく、今現役で看護師してても、看護師転職サイトに登録だけしとけば、
と、決意したときにすぐに行動に移すことができるし、何より、
今の病院と待遇全然ちゃうやん!
というのが体験できると思います。
あなたの転職、一番応援していますよ♪
もう、看護師に夢も希望もない~!
って思ってる方はぜひ、いろいろなことを視野に入れてもいいかもです。
今の職場が辛いと感じるなら、辛い職場から抜け出すために僕のように「転職」して幸せになる方がよっぽどいいです〜☆
介護施設看護師に狙いを定めるには働きながらでも登録できる求人サイトがオススメです。
求人サイトを選ぶポイントは、求人数の多さが重要です。
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