保育園での定期健康診断ってどうしてやらなきゃいけないの?【法的根拠】


保育園で行う健康診断にも、きちんとした法的根拠があって行うことになっています。

法的根拠といっても、児童福祉法やら、学校保健安全法に記載されているのですが、法律だけに文章がわかりにくいのです。

やはり、法的根拠がわからなかったり、実際の現場で監査とかあるときに困る場面もあると思います。

そこで、根拠となる法的根拠を抜粋したものを載せ、それを僕なりにわかりやすく書きかえてみようと思います。

目次

保育園での定期健康診断の法的根拠について

まず、健康診断のことがどこに書かれているかというと、

児童福祉法 第45条の規定に基づき、児童福祉最低基準を以下のように定める

児童福祉法最低基準というものがあり、保育所保育指針とか、そういう保育所のことを決めるための元になっている法律があります。

で、健康診断のことは、このように書かれています。

結構長い文章ですので、重要そうなところを抜粋しています。

第12条

児童福祉施設の長は、入所した者に対し、入所時の健康診断、少なくとも1年に2回の定期健康診断及び臨時の健康診断を、学校保健安全法(昭和33年法律第56号)に定期健康診断に準じて行わなければならない。

(入所した者及び職員の健康診断)

これが、保育所で健康診断を行う「法的根拠」になります。

児童福祉施設の長は、保育園の園長先生や園長先生になります。

そして、ここには学校保健安全法に書かれているのと同じように、少なくとも1年に2回の定期健康診断を行わなければならないと書かれています。

定期健康診断の医師に行ってもらうこと

健康診断をしてもらった医師に行ってもらわなければならないこともあります。

医師の行うこと

第1項の健康診断をした医師は、その結果必要な事項を母子健康手帳又は入所したものの健康を記録する表に記入するとともに、必要に応じ入所の措置又は助産の実施、母子保護の実施若しくは保育の実施を解除又は停止する等必要な手続きをとることを、児童福祉施設の長に勧告しなければならない。

これは、健康診断をした園医や嘱託医が、健診をした時に何か異変(心雑音がある、扁桃腺が腫れている等)があれば、母子手帳か、健康を記録するものに記録を残さなければならないと書かれています。

もちろん、異常が見られなかったときも、異常なし(所見なし)と記録を残します。

現実的には保育園看護師か保健担当保育士が記録を行います

現実的には、園医・嘱託医の言ったことを、保育園の看護師や、保健担当の保育士が記録を残すことになると思います。

まぁ、あまりないんですが、そこで伝染性の病気が見つかった場合には、園医・嘱託医が指導の下、園長・所長の権限で登園停止の措置を取ることになります。

どちらにしても、園医・嘱託医とはいつでも連絡を取れる体制を整えておいて、保育園で何か健康に関することで心配なことがあった場合にいつでも相談できるようにしておくのがベストです。

そして、異常や所見、つまり病気やその疑いのある場合は受診してくださいのお手紙を渡すことになります。

これを持って病院に行ってもらい、病院で治療内容を記入してもらい、園に提出してもらいます。

調理に当たるものの健康診断についても書かれている

『児童福祉施設の職員の健康診断に当たっては、特に入所している者の食事を調理する者につき、綿密な注意を払わなけらばならない。』

という項目もあります。

ここには、職員も健康診断を実施しなければいけないよ、ということが書かれているのと、園によっては調理員だけではなく、フリーの保育士が調理補助に当たることもあります。

僕も、保育園に就職したばかりの頃は、離乳食づくりの担当に当たって、離乳食を毎日作っていました。

あと『職員検便』についても書かれているんですが、これは別のページで詳しく書いていますので、参考にしてみてください。

そもそも、健康診断ってなんのためにやるの?

健康診断は、園児の発育・発達状態の確認と異常の発見、疾病と不健康状態の有無(栄養、脊柱、胸郭、皮膚、心臓など)等を診るために実施します。

また、保護者からの健康相談、担任からの発育・発達の相談、感染症対策等の相談も行います。

日々の身体チェックから健康状態(発育や発達状態、皮膚の状態、脊柱の状態など)を把握し、クラス別にまとめておきます。

使用物品 

 

健診セット

✅聴診器

✅ペンライト

✅舌圧子

✅膿盆

こんな感じになります。

健診前に準備しておくこと

・各クラスごとの名簿を作成し、出欠を確認しておく。

・あらかじめ質問事項をまとめておく

・問診表があれば事前に渡し、保護者からの質問事項を確認する。

乳児健診もあります

0歳児クラスを対象に行う乳児健診に関しては、本当に、保育園や、地域や自治体によって全然取り決めが違うことが多いです。

僕の勤める園は、乳児検診は月1回、年間12回あります。

これが、月1回ない保育園もあれば、月に2~4回行う園もあります。

乳児健診も、定期健診と準備する物品はほとんど変わりません。

あえて違いがあるなら、使い終わった舌圧子を入れるもの(うちの保育園は膿盆を使用)の大きさが変わったり、舌圧子の数を園児全員分から、0歳児クラスの人数分だけ用意する感じです。

定期健康診断のまとめ

健診は、お預かりしているお子さんの健康を守るためにとても大切なものです。また、保護者さんが気づいていない疾患が発見されることもあります。

なので、きちんと健診を行えるよう、基本的な知識を身に着けておいて、健診に臨めればいいですね。

あと、法的な根拠もありますので、「年2回は健診を行わなければならない」ということを覚えておくと、保育園の監査なんかで役に立つことがあります。


僕が書くのはここまでなんですが、保育園看護師をやるの初めての方とか、保育士さんで保健担当に当たられている先生なんかには、この本を1冊持っておけば、とっても役に立ちますので、ぜひぜひお手元に置いておかれることをオススメします。

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