日本語と中国語,類似点が多いことに私はもう驚かない。しかし、言葉の意味はまったく同じでも、応用の際大きく差が出ることに驚かされることがある。

先日羽田国際線ビルを利用したときの話。バタバタしながら取りあえず搭乗時間までに搭乗口に無事たどり着いた。長い列になっていたが、まだ搭乗は始まっていなかった。
落ち着いたら空腹状態に気づいた。そういえば朝食抜きだった。搭乗までのわずかな時間を利用して、何か買ってくることにした。急いで上の階に上がると、すぐに喫茶店が眼にはいった。大層なものは食べられないが、ホットケーキならいただけるかもと思った。「時間かかりますか」と訊ねたら、「5分から7分」と言われた。5分以内なら、大丈夫だろうが、それ以上だと微妙だと計算した。でも、何となく店員さんが余裕を持たせて時間を言っただけで、本当はそこまでかからないはずだと自分の中でそう計算し,注文した。

支払いを済ませ、すぐに隣の免税店に入って、買いたい化粧品を購入して戻ってきた。計ったわけではないが、3分も経っていなかっただろう。戻って席に着くと,ホットケーキが運ばれてきた。自分の完璧な計算にほくほくしながら搭乗口に戻り、ちょうどよいタイミングで搭乗手続きもできた。

自分がここまで日本人を理解しているんだ、とちょっと嬉しかった。そう。日本人は「時間厳守」という意識があらゆるところに浸透している。電車の定刻運転(というよりまず時刻表があることに外国人は驚くだろう)、宅急便の配達時間指定サービス、役所の書類発行等々、様々な面において約束された時間に基づき予定を立てることができる。約束された締め切り時間より早まることがあっても、遅くなることは滅多にない。そのため、たまにビジネスの交渉で「もうちょっと早くしてもらえないなら購入をあきらめるよ」と「脅し」ても、できないことははっきり「できない」と言って来る。無理な約束をしないのが日本人だ。

その一方中国人、特に商売人の場合話は違う。中華料理店で私と同じような経験をされた人が多いかもしれない。注文する時に、「これ、時間かかる?」と聞くと「いいえ、すぐ出来るよ」と言われる。注文してからかなり時間が経ってから催促してみると、「もうすぐ」とか、「2分間待って」という返事。2分間と言われると、希望が見えたと思って、もうちょっと待とうと思うが、なぜか時間が経っても何も出てこない。再度催促すると、今度は「作っているから、本当にもうすぐ」と返される。なら最初の回答は何だったんだろう。こんなことが何回か繰り返されて、どこかで「本当に」出てくる。そうすると、奇跡が起こったような喜びを味わうことができる。

先日ある中華屋さんで食事したときに、やはり「2分間」と言われたが、「本当に2分間だよね?計るからね」と言ったにもかかわらず、10分経っても何も出てこなかったので、諦めて帰ることにした。そうしたら、店員さんに言われた「もうちょっと早く催促してくれればよかったのに」。待たされることより,いい加減な対応をされて不愉快になった。お客さんとして大事に扱われたとはとうてい思えない。その店にはもう二度と行かないと決めた。

日本に長く滞在して,自分が時間に対しシビアになっているのかもしれない。仕事上では、少しでも予定の時間より遅れそうな場合、必ず早い段階で知らせるようになった。今の自分は中国に帰るたびカルチャーショックでつらく感じることが多い。もう「中国人」に戻れないかもしれません。

カテゴリ:いぶこみの風景
投稿者 :張 娜