毎年,私は「春節晩会」というパーティを開いている。もう15,6回ぐらい開いている。本当は正確には何回目かあやしいのだが,2010年あたりからよく わからなくなってきて,以後わかりやすいようにと,2010年の最後の二桁をとって第10回目としてしまった。そんなわけで来年2015年は恒例第15回 というわけだ。

知り合いの人がやあやあと一堂に会して,飲み食いかつ語り合うという趣旨で始めたのだが,そのうちにビンゴを始めたり,歌や踊り,朗読などの出し物もやるようになった。

案内状を出すのは知り合いの人だが,知り合いと言ってもぼやぼやしていると,1年間まったく会う機会がないなんてことが珍しくない。年に一度ぐらいは会おうやというわけで,時期が来ると案内状を出す。

時期がくる,といっても中国の春節は毎年変わる。移動するのだ。たとえば2014年は1月31日だったが,翌2015年は2月19日というぐあいである。日本の正月から一ヶ月遅れだったり2ヶ月近く遅れたりする。

ところで,日本には「喪中ハガキ」の習慣がある。親族に不幸があったとき,「新年の挨拶をひかえる」習慣だ。喪中ハガキは,だから人が年賀状を書き始める 前に投函するのが礼儀になっている。喪中ハガキを受け取ると,その人への賀状は出さない。実際はうっかり出してしまうことがよくあるのだが。

それでは春節晩会の案内ならしてよいか。普通の日本人の考えからすると,春節の挨拶は“春节愉快!”とか“春节好!”というし,これはめでたいお祝い事には違いないから喪中の人に招待状や案内を出すのは控えるべきだと思う。

そんなわけで,私は喪中ハガキのとどいた中国人のCさんには今年は案内を控えた。ところが,会がおわってしばらくすると,私の耳に「Cさんが,相原先生の 春節晩会の案内が今年は来なかった」と言っているという話が漏れ伝わってきた。どうも不満らしい。しかしCさんは確かお父さんが亡くなったはずだ。それで も中国では気にせずに春節を祝うのだろうか。そんな気分もふくめてCさんにメールを打った。するとすぐに返事があり,中国では日本のような習慣はないとの ことだった。春節は春節でいつもどおりにお祝いすると言う。

お互い「そうだったのか」と納得がいったが,こんなちょっとしたズレから,誤解が生まれることもあるわけだ。

カテゴリ:いぶこみの風景
投稿者 :相原茂